1999年4月13日

手記の表紙 Made in India

あるところに一人の画家がいました。その画家はキャンバスにただ一つだけ点を描いてそれを絵としていました。キャンバスはあるときは白、あるときは黒、青、赤とその画家はあらゆるキャンバスに点を刻みました。ただ一点。点の色もある時は黄、緑、紫、色々な世界に存在するあらゆる色を使いました。そしてその画家は絵に値段をつけるとき、いつも1000万円にしていました。しかしその絵を買う人は一人もいませんでした。それでも、画家はごはんが食べられなくても服を買うお金がなくても絵を描き続け、決して値段を下げようとしませんでした。

ある日、画家の絵はあるヤクザの組長の目にとまりました。組長はとても金持ちでケンカも強く貫禄も十分でした。そして絵が大好きでした。組長は画家にその絵はいくらだと聞きました。画家はその組長におびえることもなく1000万円と答えました。組長はその絵を買うといい、金をはらうから組の事務所までこいといいました。画家は喜んで事務所へいきました。事務所につくとそこには1億円用意されていました。組長はその金で組長の専属画家になってほしいと言いました。

画家は断りました。なぜだと組長が聞くと、「私は自分のためにこの絵を描きました。本当はこの絵はあなたには差し上げたくありません。私の作品だから。でもお金がないと私はこの世界で死んでしまう。だからあえて1000万円という値段をつけました。私の絵にも傑作と駄作はあります。しかしこの世界ではなんの価値ももたないのです。あなたには私の描いた絵ひとつひとつにこめられている私の真剣な気持ちはわからないでしょう。あなたはわかったふりをしているのです。それを承知して買ってくださいますか。私はそういう人にあうために絵を売っている。私に共感してこの絵に1000万円という大金をだしてまで買ってくれるような人を探している。その人に会った時私は次の絵を描くことができる。1度絵を売った人には2度と絵は売りません」そのままでは死ぬぞと組長に言われ画家はいいました。

「私は死にたい」 

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